2008-10-20 17:42:26
18才の頃のボク
東中野に明大中野という高校があり、ある年の三月ボクはその高校を卒業した。

当時、三割しか明大にいけなかったのんだけど、何とか三割の中に入ってはいたんだけど、成績順で学部が決まるので、行けても農学部だって言われて、その前から大学に行ってもしょうがないなって思ってたから、サヨナラって…卒業したんだ。

その一ヵ月後、ボクは上野のキャバレーで働いてた。もちろんホステスをやっていたワケじゃないし、店員だったワケでもない。

キャバレー.jpg

ボクはドラマーとしてキャバレーのステージに立っていたんだ。18才と5ヶ月。表から入ったことのない世界に裏口から通ってったってワケだ。

そこは、ショーが入っているけっこう大きなキャバレーだったから、9人編成のメインのバンドがショーのバックを勤めていた。ボクの入ったバンドはその対バン(交代バンド)で、コーラスバンドというふれこみだったけど、ベースのバンマスがメインボーカルにちょこっとコーラスをつけるくらいの、そんな詐欺みたいなバンドだったんだ。

バンドのメンバーはみんないい人で、プロになりたてのボクに色々と親切に教えてくれた。音楽のことだけじゃなくって、大人の世界も教えてくれた。

ボーカルのAさんは休憩時間
「やっぱ、オナニーが一番だよ、だって、誰とだってできるワケじゃん、オレ、もう、カミサンとやりたくないからさ、ずっとやってなかったら、こないだ、寝ている時に朝立ちするじゃん、そん時よー、上に乗っかってんだよ、カミサンが、眼覚ましたら、上下してんだよ、マイッタヨ」
なんて、ボクには信じられない話をしてくれたりした。

そのバンドの人達は賭け事はやらなかったから、休憩時間はもっぱらバカ話で、
「瀬山くん、どのホステスがいい?」
なんて、聞いて来て
「オレはあの緑のドレスの背の高い娘(こ)」とか「ちっちゃくてぽちゃっとした娘、わかる?」
なんて、会話をしていて、
「ボクはあのースレンダーで、髪の毛アップにしていて…、ブルーの薄手のワンピースの…」
と答えると
「やっぱり!瀬山くんの好みはあの娘だと思ってたんだ」
なんて、会話が行われていたんだ。

ある日、出勤の時、裏口で黒服(店長もしくはマネージャークラスの店員)が客ともめていた。
その客は
「サユリちゃんに会わせてくれ!頼む!」
と、哀れに懇願していたが、黒服は
「あんたね、裏口からなんて会わせられないよ、表から来てよ」
と、追い返した。

翌日、その客はまた黒服ともめていた。
黒服が客を残したまま、店に入った。
ボクは何故か、その場を立ち去ろうとしなかったんだ。
すると、そのサユリちゃんが現れて
「あんたね、あたしに会いたけりゃ、金持って、表から来な!」
と一言発して、消えていった。

そう、そのサユリちゃんこそ、ボクの好みだったホステスだったんだ。

18才のボクにはちょっとつらくて、悲しくて、でも大人の世界に自分はいるんだ、そんな体験だった。
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