2009-01-07 18:58:51
ボクのアメリカ滞在記 vol.1
はたちの時に、一度だけアメリカに行ったことがある。

それまでボクはハコと呼ばれる、クラブやキャバレーでドラムスを叩いて生活をしていた。

生活をしていたというのは、実は嘘で、何故かというと、親の家に同居していて、食費も生活費も入れず、稼いだ金は全部自分の小遣いみたいな状態だったので、生活もどきをしていたのだった。

その頃のボクは、外に飲みに行く習慣もなく、彼女もなく、金の使い道といったら、中古レコード店へ行って、フランスのマイナーなレーベルのフリージャズのレコードを買うくらいだったから、結構貯金はあった。

でも、それは彼女がいるとかいないとか、飲みに行くとか行かないとか、の問題とは違うかもしれない。なぜなら、ボクは小学校一年から自分の貯金通帳を持っていたし、小学校三年の時には誰から言われたのでもなく、金銭出納帳をつけていたような子供だったからだ。

アメリカに行って、しばらく暮らせるだけの貯金はあった。その頃はビザが厳しくて、長くても40日くらいしか貰えなかったから、もちろん不法滞在覚悟で、強制送還されるまで、ニューヨークで暮らそうと思っていたのだ。

ところが、そんな時期に修子さんとその仲間たちと出会ってしまったのだった。

修子さんは言った。

「私たちは世界的なバンドになるのだ!」

その言葉を信じたボクはニューヨークよりこっちの方が面白そうだなー、と思った。でも、お金はある。それならば悔いが残らないように、一ヶ月だけニューヨークへ行こう、ということに決めたのだった。

ボクはその頃の貧乏旅行の定番、大韓航空の西海岸まで往復チケットを買った。

そして、羽田空港からアメリカへと旅立ったのだった。
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