2009-01-11 18:29:58
ボクのアメリカ滞在記 vol.4
飛行機の出発時間が過ぎて10分が経っていた。

部屋はあきらめムードで満たされていたが、女の子はまだ泣きじゃくっていた。その時。

ドアが開いて、厳しい表情をした女性の入国管理官が入ってきた。そして、「飛行機に乗っていいわ」みたいなことを英語で言った。

なんと、飛行機はボクたち三人のために、出発を遅らせて待ってくれていたのだった。

女の子は素直にはしゃいでいたが、本気で日本に帰されると思っていたボクは気が抜けたようになってしまい、喜びすらわいてこなかった。

なにか悪いことをして、これから怒られるのを覚悟して待っていたら、いきなり褒められたような、そんな肩透かしを食らわされた気分のまま、また飛行機に乗った。

ロサンゼルスに着いたのは夜だった。

ロサンゼルスからニューヨークへ行く一番安い方法はナイトフライトだった。それでも当時は片道40,000円もした。今じゃ考えられない値段だ。

ナイトフライトとはその名の通り夜、それも真夜中に飛ぶ便で、ニューヨークに朝の5時頃到着する予定だった。

飛び立った飛行機はロサンゼルスの街をなめるように低空で飛んだ。すぐ下に家並みが見えた。家々の明かりが眼下に、果てしなく広がっていた。あれを夜景と呼んでいいのならば、ボクが今に至るまでもボクが見た一番美しい夜景だった。

時差のせいと興奮のせいで深夜の飛行機でボクは眠れなかった。でも、目をつぶっていた。あの時、何を考えていたのかは思い出せないが、それは幸福な時間だったことは間違いない。

ニューヨークはすぐそこまで近づいていた。

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