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仲田修子Blog
2009-02-01 18:42:27
山崎さんのお兄さんと出会ったことで、ボクはようやくマンハッタンの街を自由に歩けるようになった。
ライブの情報はヴィレッジプレスという情報誌を見れば全部分かることも教わった。ヴィレッジプレスは雑誌ではなく。週刊のタブロイド紙で新聞スタンドに置いてあった。
ボクにはもう一人会いに行かなければいけない人がいた。
修子さんの友達で、ボクに修子さんを紹介してくれたのがミッチャンだった。彼女はジャズボーカリストで、ボクと彼女は横浜のクラブの仕事で知り合ったのだ。
彼女はボクと出会う前にマンハッタンにしばらく居たことがあって、ボクがマンハッタンに行くというと、何人かの友人の連絡先を教えてくれたのだった。
そのうちの一人、ボビーという名の黒人の家をボクは訪ねることにした。
しかし、そのボビーの家は山崎さんのお兄さんが、行かない方がいいと言っていたイーストサイドにあった。
でも、せっかく教えてくれたのに、訪ねないのは悪いというか、もったいないような気がして、ボクはイーストサイドのボビーの家に向かった。
道を歩いていると何度も黒人が寄ってきて「一ドル貸してくれ」だの「一ドルくれ」だの言ってきた。
もちろん、取り合ったらおしまいだと分かっていたし、まして財布なんか出そうものなら、どうなるか分からない。ひたすら英語がまったく分からないふりをして、振り切って歩いた。
ボクはボビーの家を見つけてベルを鳴らした。そこは見るからに古そうなボロアパートだった。
しかし、出てきたのは黒人の女性だった。ボビーは男のはずだったのに…
2009-01-28 19:29:23
前から気になっていたうどん屋さん、「さぬきや」へ行ってきました。
「さぬきや」は三十年以上前から環七に店を構えているうどん屋さんですが、店を建てかえて、先代から息子さんの代になって、一品料理やコース料理が充実しておいしいと評判になっていたので、前から一度行ってみたいと思っていました。
今回は4,200円のコースを頼みました。
前菜はえび芋と大根と縮みほうれん草に生海苔の餡をかけた一品。
どの料理もしっかりと仕事がしてあって、おいしいものでした。左端は白魚を生海苔で合えた一品。
お造りも一つ一つしっかりとした仕事がしてありました。
野菜料理もおいしかったです。左端はアラカルトメニューにも載っているシュガートマトです。
揚げ物は白子の磯辺揚げです。白子を海苔で巻いて揚げた一品です。
そして、しめには温かいうどんと冷たいうどんが出てきます。
これは鶏うどんで塩味の濃厚な鶏スープに柔らかな鶏の身が入った暖かいうどんです。
どれもこれもとてもおいしかったです。
ただ、出てくるタイミングがちょっとゆっくりなので、時間に余裕のあるときにゆっくりと楽しむのが良いでしょう。
2009-01-25 20:29:35
電話の向こうの山崎さんのお兄さんにボクは必死で自分が誰であるかを説明した。
山崎弘の弟子であること、そしてニューヨークに行ったら訪ねるといいと言われ、連絡先を聞いてきたこと、などなどである。
山崎さんのお兄さんはボクの話を丁寧に聞いたあと、電話の向こうでこう言った。
「じゃあ、これからうちに来なさい。住所は分かっているよね」
ボクはなんていい人なんだ!胸をなでおろして山崎さんのお兄さんの家に行った。
山崎さんのお兄さんはすごい人で、何がすごいかって、サンアドというサントリー系列の広告代理店でイラストレーターをしていて、その時の同僚(もちろん先輩に当たるが)が開高健と山口瞳だったという人なのだ。
それがすごいんじゃなくって、そんな地位にありながら、40歳を過ぎてからアーティストを目指して会社を辞め、奥さんと子供がいるのに、奨学金をもらってニューヨークにやってきて美術学校に通っているという、ここがすごい人なのだ。
普通の人にはできることじゃないよなー、と山崎さんから話を聞いたときから思っていた、だから、怖い人だったらどうしようと内心怯えながら、アパートのチャイムを押した。
現れたのは髭をたくわえた上品そうな中年の男だった。
「いつ、こっちに来たの?」
「はい、三日前です」
「で何してたの?」
ボクは今回の旅行が1ヶ月間であること、そして主な目的は色々なジャズクラブに行くことだが、夜怖くて出歩けないでいたこと、そして、どうしたら目当てのジャズクラブを見つけたら良いのか分からないこと、などなど、話をした。
山崎さんのお兄さんはボクの話をじっと聞いてくれた後、笑い出した。
「日本人はみんな、マンハッタンを恐ろしいところだと思いすぎだよ。セントラルパークの中ほどから上、つまりハーレムとイーストサイドとウエストサイドの危険なところさえ行かなければ、真夜中に歩いてたって、地下鉄に乗ったって大丈夫だよ」
その言葉を聞いて、ついにボクの本当のマンハッタン生活が始まったのだった。
2009-01-21 17:17:13
9月と11月にペンギンハウスでライブ録音をしました。
その時やった曲の中から15曲をセレクトして、きのうギターリストの華原イアンこと水野さんのスタジオでミックスダウン作業をしました。
ミックスダウン(トラックダウンとも言う)とは、録音した時16トラックに分かれて録音されている音をステレオつまり2トラックにする作業です。各楽器の音量や定位(ステレオで聴いたときの位置)を決める重要な作業なのです。
水野さんは専門家ではないのですが、かなり録音に精通しているので今回は無理を言ってお願いしました。
さすがに15曲を一日でやるのはきついかなー、とお互いに思っていたのですが、昼の一時から始めて夜7時半まで、休みなしの怒涛の6時間半で、完成しました。
完成した後は打ち上げ、よもやま話をしながら、you tubeでなつかしのロックバンドの映像を見ながら飲んだビールは最高でした。
製品化はまだ未定ですが、必ず発売しますので、期待して待っていてください。
2009-01-19 19:12:05
今日紹介するのは『できそこないの男たち』福岡伸一著 光文社新書 820円+税 です。
『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、サントリー学芸賞受賞)がベストセラーになり、今ではテレビでも見かけるようになった福岡伸一の最新作は遺伝子の物語です。
福岡氏の文章力についてはいまさら言うまでもないでしょう。硬くなりがちな科学の話を、時には叙情的に、時にはセンチメンタルに、そして時にはミステリーのようにスリリングに書くその筆力には驚かされるばかりです。
Y染色体発見の物語では、電子顕微鏡で見るためのサンプルをいかに作るかが、詳細に書かれていきます。専門的過ぎてつまらないと思われるその過程がじつにスリリングで、まるで上質のミステリーを読んでいるかのように感じられます。
そして、なぜオスが必要になったのか?
生物の基本タイプはメスであり、オスは無理やりカスタマイズされたものであったこと。
など、科学好きはもちろん、そうでなくても引き込まれること間違いなしです。
この本を読むとオス(男)がいかに哀れで弱い存在かが分かります。